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 山伏が目を見開き、汗の吹き出す躰を弓形に反らせ、戦慄く唇から嬌声を迸らせた。
「っあ、お゛ぉぁアッ!  あ゛ひっ……、ひ、はぁあ゛っ」
 連続で気を遣ってしまったからか、審神者を咥え込んだままの媚肉が痙攣を繰り返し吸い付いているが、半勃ちのままの魔羅からは水っぽい濁が溢れていた。抱えた内腿が引き攣り、熟れた雌穴がくぱくぱと伸縮しては離さないとばかりに肉太刀を求め絡み付く。
「あ゛っ、あ゛るじどのぉ……あ゛るっ、ひイ゛ぃひっ!」
 ぐるんと眼を剥き、奥を穿つ剛槍の突き上げを受け止め殆ど絶叫に近い善がり声を上げ続ける。何度も跳ねる腰を押さえ付け容赦なく抉り、肉襞に擦り付け味わいながら、突き出される胸板も同時に嬲った。散々弄られ舐られた乳輪はぷっくりと腫れ上がり、尖った乳首を擦られる度に電流が奔る様に快感が駆け抜け、爪弾かれ捏ねられ、山伏はもんどりうって善がり狂った。
「イ゛ひぃっ!  くひゅっ……はひっ、ひゃめっ、ひゃめら、お゛がっひ、い゛ぃいいっ!」
 キュウキュウと締め付ける淫壺のヒダを広げる様に、角度を変え突き入れる。凶器と言って差し支えない逸物に暴かれる菊蕾は拡がり、紅く充血して捲れ上がっていた。速度を落とす事無く揺さぶり、奥へ奥へと割り開く陰茎が幾度も良い所を押し潰しては愛液で泥濘む肉鞘を蹂躙した。
「あ゛っ……クる゛っ、まった、イ゛ッ……くふう゛うぅッ!」
 山伏は全身を硬直させたままびくん、びくんっと大きく震える。限界まで仰け反った躰を尚もゴリゴリと最奥を叩く愛しい主の男根により与えられる刺激に、喜悦しながら肉欲に攫われた。
「う゛あ゛ッ、あっ、あぁ……っ!  っお゛ぉおっお゛あ゛ぁ……」
 限界を越え与え続けられる快楽に全てが洗い流され、必死に縋る男の手で狂わされる。絶え間なく訪れる絶頂に悶絶しつつも、手足をばたつかせ享楽に抗う様は酷く憐れで、いっそ壊れてしまえば楽なのにと強引に口を合わせ呼吸を奪った。
「ん゛むぅっ、ぐ……んお゛っ……ぁがっ」
 窮屈だろうに躰を捻りながら舌を突き出し応える山伏の瞳にほんの僅かに残った自我を、どうやって崩落させてやろうか。律動を止めぬまま審神者は思考した。

 


ーーーーー
 


 歯を食い縛り声を押し殺し続ける向かい合わせの男は、苦しげに眉間に皺を寄せ小さく吐息を漏らした。
「うあっ……国、広……」
「ッ、は……っぁ、う」
 全身を強張らせ、繋がった丸見えの箇所から視線を反らす。両脚を同田貫の肩へ掛け広げた胡座に股がる格好は所謂帆掛け茶臼で、女役の山伏の方が身長がある為後ろ手に付いた両手でほぼ体重を支えている。鍛えているのだから遠慮するなと言っても断られてしまう。
「何度もっ、言ってるだろがっ!  声……抑えんな国広ッ」
 搾り出す様に蠕動する肉壁に腰が戦慄く。挿れる方が甘ったるい声を出してしまう事を同田貫は気にしているのだ。手を替え品を替え、何とかあられもなく乱そうとするも山伏は「おぬしはまこと可愛いな」と余裕の笑みを崩す事は無い。それが無性に悔しくて、気絶するまで手酷く貪り尽くすのが多く負担を掛けてしまっているため、余計に焦燥と罪悪感に苛まれている。
「我慢もっ修行ってかッ……?  んあっ……、く!」
「はっ……ぁ、そうでは……っな、い」
「じゃあっ、何でだっよ……?」
 己ばかりが気持ち良いのではと、我欲を押し殺すのに長けた恋人が心配で仕方ない。揺すっていた腰を止め、拗ねた様に唇をつ尖らせ同田貫が下から睨み返す。にゅぐ、と自重で最奥の括れを抉る同田貫の亀頭を包み込みながら、硬く引き結んでいた口を開いた。
「んくっ……欲に溺れるのが恐い……浅ましくっおぬしを求めるのが、止められっ、ぬ、のだ……」
 淫蕩に耽るなど、あってはならぬ。しかしそれでも、有りもしない筈の女の子壷が甘く切なく疼き、情を交わす男から与えられる快感を拾いもっともっとと求めてしまう。
「今だって……ひっ、しなのだぞ……?」
「っ……俺、で  感じてくれてる、のか」
 みっちりと割り広げられた蜜処の隙間からトロリと汁を滴らせ、下生えに絡み付いては淫猥に水音を溢れさせ、しなる腰は艶かしく揺れ動き同田貫を誘う。
「っ当たり前だ……ろ、ぅくっ!」
 言葉を遮り体勢を変えられる。布団へ押し倒され、繋がった花蕊に収まった肉竿が限界を越え最深部へ突き立てられる。まるで子宮口を抉じ開ける様に、ずくずくと押し込められ責め立てられる。
「ッ、あぅっ……っ、正国ぃ、まっ、ふぁっ……」
 かひゅ、と喉を鳴らし細い頤を反らせ、露わになった白い首筋へ舌が這う。下腹部を中心に頭から爪先まで断続的に電流が突き抜け、目も眩む様な痺れが全身を襲った。
「っひ、はひっ……!  いっ、ぃっ!」
 続け様に総身に甘く狂おしい快楽が身を打ち、低い呻き声と共に痙攣を始めた。
「んうぅぁっ!  国広ッ、くに、ひっ」
「く、っうぅーっ……!」
 大きく仰け反って硬直した山伏とは裏腹に、淫肉は陽物を啄ばみ吸い付いて離さないと熱くうねった。
「うああぁっ!  ッ射精すぞ……国広!」
「っ、……っく、ひイ゛ッ……!」
 堪らないと、上に乗り上げ深く密着した格好で同田貫が大量の白濁を放った。孕めとでも言う様に擡げた陰嚢が押し当てられ、どくどくと注がれる熱い子種に、ついには息を詰めながら身を捩らせ絶頂に攫われてしまった。
「はひっ……すっ、きだっ……正国……!」
 肩で大きく息をし、潤んだ双眸を細め同田貫の頬へ指を滑らせる。愛しさに満ちた顔は真っ赤に染まり、それは美しく甘やかな香りに満ちて同田貫を包み込んだ。深く愛し合う二振りは互いを抱き合ったまま、幸せな微睡みに身を任せ眠りについた。

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